有給休暇を残した退職は、その日数分だけタダ働きさせられているのと同じです。でも、退職前の有給消化を会社側に拒否される場合があります。
「有給休暇は労働者の権利じゃないの?」「会社に拒否されたら我慢しなきゃいけないの?」「誰に相談したらいいかわからない」と考える方はあなただけではありません。
この記事では、退職前の有給消化を会社側に拒否された時の対処法と、有給消化を拒否される原因、精神的な理由で退職する場合にもらえる給付金について紹介します。
退職前に有給消化をしたいけど、会社に拒否されている方へ。どうするべきか判断できるように対処法もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
有給消化が拒否された場合の対処法①証拠集め
退職前の有給消化を会社に拒否された場合は、会社の担当部署や労働基準監督署などへ相談するための証拠集めを行いましょう。担当部署であれ、労働基準監督署であれ、はっきりした証拠があれば対応してもらえやすくなります。
退職前の有給消化は、労働基準法で定められた労働者の当然の権利です。しかし、会社によってはさもそれが当たり前かのように有休消化を拒否する事例があります。
会社から不当な理由で有給消化を拒否された場合は、今すぐ以下の証拠を集めを始めましょう。
有給休暇を拒否された証拠を持って相談をすることで、スムーズな対応が期待できます。
相談する際は相談内容を整理し、証拠を基にして時系列で詳細に説明する準備をしましょう。
有給消化を拒否された場合の対処法②担当部署や労働組合へ相談
職場の上司から退職前の有給休暇を拒否された場合は、まず担当部署に相談しましょう。
担当部署に該当するのは、コンプライアンス部署や労務管理部署などです。
所属部署の上司は、労働基準法に関しての正しい知識を持っていない可能性があります。
コンプライアンス部署や労務管理部署は労働基準法のプロ集団です。あなたが適切な証拠を持って相談に行けば、上司の判断を覆してくれるでしょう。社内の問題行動として上司に指導してくれる可能性もあります。
そういった専門の部署がある場合、まずはそこへ相談してみましょう。
もう1つの方法としては、あなたが加入している労働組合への相談があります。担当部署に相談しにくい場合や、真剣に取り合ってくれない場合は労働組合への相談も検討してください。
有給消化を拒否された場合の対処法③労働基準監督署へ相談
会社の担当部署や労働組合がない場合や、あっても信頼できない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。
労働基準監督署は社内のしがらみと無関係ですから、あなたの報告が法律に違反していないかどうか明確に判断してくれます。相談は無料です。もしも会社の労働基準法違反が認められれば、会社への指導や勧告が行われます。
すぐに動いてくれなくても、労働基準監督署に相談したという事実を上司や会社に伝えるだけでも、対応に変化があるかもしれません。
会社に専門の部署がない場合は、ぜひ相談してみてください。
退職前に有給消化が拒否される3つの原因
会社側が有給休暇を拒否する原因としては、以下の可能性があります。
そもそも有給休暇の日数がない場合は利用することができないので、まずは給与明細や勤怠管理表などで有給休暇の有無を確認しましょう。
有給消化をするための日数が足りない
有給休暇は、会社で働く従業員に与えられている権利です。そのため、退職後に有給休暇を取得することはできません。
退職日を変更できるのであれば、ずらして有給休暇を使い切ってから退職すれば問題ありません。しかし、転職先の入社日によっては、退職日を変更できないでしょう。
このような場合は、有給休暇を使い切れずに退職日を迎えることになってしまいます。
もし、あなたの現在の会社と転職先が二重労働や副業を禁止していない場合は、有給消化と転職先の出勤が重なっても問題はありません。
一度、在籍期間について確認してみましょう。
退職までに引継ぎが間に合わない
法律的に引継ぎは義務ではありませんが、引継ぎをせずに退職したことにより業務に支障をきたした場合は、会社から損害賠償請求される可能性があります。
いままで業務に携わっていた従業員が離れるので、どうしてもトラブルは発生しますが、ある程度問題が起きないように引継ぎを行うことは大切です。
また、有給休暇をすべて消化してから退職したい場合は、できる限り余裕を持って退職する意思を伝える必要があります。
ただし、これまで業務や会社都合で有給休暇が取得できなかった場合は、会社側も有給消化を認める必要があります。
このような状況の場合は、メールの履歴や出勤記録などの証拠を準備しておきましょう。
有給休暇が付与されていない
有給休暇は以下の条件を満たしている労働者に与えられている権利です。
上記の条件を満たしていない場合は、有給消化以前に有給休暇自体を取得できていません。
給与明細書または勤怠管理表から、有給休暇の日数を確認してみましょう。
もし、有給休暇付与の条件を満たしているのに有給休暇が付与されていない場合は、コンプライアンス部や総務部などの会社の担当部署や労働基準監督署に相談してみましょう。
退職が精神的な理由なら、給付金をもらって28ヶ月間休めるかも
もし、あなたが精神的な理由で退職をするのであれば、退職後に最大28ヶ月間の給付金を受け取ることができます。
しかし、その手続きは複雑。精神的に苦しい状況で、勉強しながら自力で手続きを進めるのはほとんど不可能です。
給付金を受け取る際には、「退職コンシェルジュ」がおすすめです。
退職コンシェルジュは、給付金を受給するまでに必要な手続きや書類の準備について、「どの書類を準備すべきか」「どこに提出するか」「いつ手続きを進めるべきか」などの具体的な指示を出してくれます。
せっかく受給できる給付金を、よくわからないからという理由で受給をあきらめないためにも、こちらの記事で退職コンシェルジュを一度検討してみてください。
有給消化のために、まずは証拠集めから始めよう!
有給休暇は、会社で働くすべての従業員に与えられる正当な権利です。
もし、退職前の有給消化を不当に拒否された場合は、証拠を集めて会社の担当部署や労働組合、労働基準監督署に相談しましょう。しかし、以下の場合は有給休暇を拒否される場合があります。
給与明細書や勤怠管理表で有給休暇の日数を確認し、引継ぎや有給休暇を所得できる余裕をもって会社に退職の意思を伝えるようにしましょう。
あなたが有給休暇を無事に取得できるようになっていると幸いです。
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