恋人からのプロポーズを受けて「結婚を機に仕事を辞めたい」「結婚生活をスタートさせるタイミングで専業主婦になりたい」「家庭を大切にしたい」と感じるのは自然なことです。
しかし、仕事を辞める決断は、簡単に下せるものではありません。収入がなくなることによる経済的不安や、再就職が難しくなるリスクが伴います。
この記事では「結婚を理由に仕事を辞めたい」と考えている方に向けて、仕事を辞める際に考慮すべき3つの条件や結婚を理由に仕事を辞めるメリットとデメリット、失業保険がもらえるかどうかについて紹介します。
結婚後の生活を楽しむためにも、2人でしっかりと話し合う時間を作りましょう。
結婚を理由に仕事を辞めたい!判断すべき3つの条件
結婚を機に仕事を辞めて、専業主婦として家庭に専念したいと考えている方も多いでしょう。しかし、2人で生活していくうえで収入の問題は避けては通れません。実際に仕事を辞めるかどうかを決める前に、2人の現状と理想の暮らしについて話し合いましょう。
ここでは、結婚を理由に仕事を辞める際に判断すべき条件について詳しくご紹介します。
結婚と仕事の両立についてよく考えることで、2人にとって良い決断をしましょう。
金銭的な余裕
結婚を理由に仕事を辞める決断をする前に、金銭的な余裕があるかどうかを話し合いましょう。結婚後に専業主婦として家庭に専念したいと思っても、収入が途絶えた場合に生活が成り立つだけの資金があるかの確認が重要です。
仕事を辞めることで収入がなくなると、家計はパートナーの収入のみで賄わなければなりません。現在の貯金やパートナーの収入で生活費や将来の出費に対応できるのかを見極めましょう。
結婚後も十分に暮らせるだけの蓄えや収入の見通しがあれば、仕事を辞める選択肢も現実的です。逆に貯蓄や将来に不安がある場合は、すぐに仕事を辞めないほうがいいでしょう。
結婚生活が始まる前に、しっかりと家計の見直しを行い、将来の計画を立ててください。
子どもの有無
すでに妊娠していたり、子どもがいたりする場合は、子どもの世話を最優先に考えなければなりません。子どもがある程度成長するまで仕事を続けるか、一時的に仕事を辞めて育児に専念しましょう。
子どもの育児は大きな責任であり、特に小さな子どもがいる場合は、親としての時間とエネルギーが大きく求められます。育児と仕事の両立が難しいと感じる場合、仕事を辞める選択肢も考えられます。育児が落ち着いたら再び働き始めるプランを考えるのも1つの方法です。
結婚を機に仕事を辞めるかどうかを決める際は、家庭の状況や子どもの成長段階にあわせた判断をしましょう。
資格やスキルの有無
結婚後に専業主婦として家庭に専念したいと考えていても、再就職を視野に入れている場合は、持っている資格やスキルが役立つかどうかを見極めましょう。例えば、社会復帰が容易な国家資格や専門的なスキルを持っている場合、結婚を理由に仕事を辞める選択肢も十分に考えられます。
特に医師や看護師、弁護士や会計士など、どの業界でも需要がある資格を持っている方は、結婚を機に、いったん仕事を辞める選択も悪くありません。こうした資格をもつことで、結婚生活が落ち着いたり、子どもが成長したりしてから再び社会復帰することも可能です。
資格がない場合でも、パートタイムやフルタイムなど、自分の生活スタイルにあわせた働き方を選ぶことは可能です。
結婚後に仕事を辞めたい方必見!必要な相手の年収は?
結婚を機に仕事を辞めて、家庭に専念したいと考えている方にとって、パートナーの年収は重要な要素です。総務省統計局の調査(令和2年分民間給与実態調査)によると、パートナーのみの収入で生計を立てている世帯の平均年収は、子どもの有無によって異なります。
子どもの人数 | 平均月収 | 平均年収 |
---|---|---|
なし | 44万7000円 | 536万円 |
1人 | 47万6000円 | 571万円 |
2人 | 51万4000円 | 616万円 |
親からの経済的支援がある場合や、住宅手当のような会社の福利厚生が充実している場合は、多少の年収差をカバーできます。反対に、追加収入がない場合、パートナーの収入だけでやりくりするにはより高い年収が求められます。
専業主婦としての生活を考える際は、まずは現実的な生活費を計算し、必要な収入の把握が必須です。その後、自分たちの求める生活レベルと収入を比較しながら、仕事を続けるか、あるいは辞めるかのどちらかを選択しましょう。
結婚を理由に仕事辞めるメリットとデメリット
仕事を辞める決断には多くのリスクが伴いますが、同時に新たなライフスタイルを手に入れるチャンスでもあります。ここでは、結婚を理由に仕事を辞める際のメリットとデメリットについて詳しく見てみましょう。
メリット
結婚をきっかけに仕事を辞めることには、以下のメリットがあります。
仕事を辞めることで、仕事に関する悩みやストレスから解放されます。特に仕事のプレッシャーや人間関係のストレスから解放されることで、心穏やかな日々を過ごせるでしょう。
また、仕事を辞めることで、家事や育児に集中できます。専業主婦として家庭を支えることに専念できるため、子育てや家事に時間とエネルギーをかけられます。仕事と家庭を両立するプレッシャーから解放されるのは、大きなメリットです。
仕事を辞めることで、仕事に縛られない自由な時間をもつことができます。趣味や自己啓発に時間を使えるため、これまでできなかったことに挑戦する機会も増えます。
デメリット
次に、結婚と同時に仕事を辞めるデメリットについて見てみましょう。
仕事を辞めると、当然ながら収入がなくなります。これにより、家計はパートナーの収入のみで成り立たせる必要があり、経済的な不安が増えるでしょう。パートナーが高収入であれば問題は少ないですが、一般的なサラリーマンの家庭では節約が必要になるリスクが高いです。
収入が無くなることで、将来のための貯金が難しいです。生活費を賄うだけで精一杯であり、貯蓄に回せる額が減るでしょう。さらに、家計が赤字になった場合には、これまでの貯金を切り崩して生活するリスクもあります。
自分の収入が無くなることで、自由に使えるお金も減ってしまいます。その結果、自分のほしいものを購入したり、行きたい場所に出かけたりすることが難しくなるでしょう。金銭的な自由を失うことは、精神的なストレスを感じる要因にもつながります。
結婚を理由に仕事を辞めても失業保険はもらえる?
結婚を理由に退職する場合でも、一定の条件を満たせば失業保険を受け取れます。失業保険を受け取るには、以下の条件を満たしているか確認しましょう。
失業保険をもらうには、書類を揃えてハローワークでの手続きが必要です。退職後すぐに手続きを始めることで、失業保険の給付をスムーズに受け取れます。結婚を理由に仕事を辞める場合は、失業保険を受け取る条件に当てはまっているかを確認し、手続きを進めましょう。
あなたが失業保険としてもらえる金額は、以下のページで計算できます。仕事を辞めたときにもらえる金額を計算しましょう。
扶養に入るともらえない
結婚後に扶養に入ることを考えている場合は、失業保険と同時に受け取ることはできません。扶養に入る場合、社会保険と税金に関する条件がそれぞれ異なり、以下のような基準が設けられています。
失業保険を受け取ると、受給金額が収入とみなされます。このため、失業保険をもらい始めると、社会保険の扶養や税金の扶養の対象から外れてしまうリスクがあります。
もし、失業保険を受け取りたいが扶養に入れない場合は、自己負担で国民健康保険や国民年金に加入しなければなりません。扶養に入ることで負担を軽減するか、失業保険を受け取って一時的な収入を得るか、自分の状況に応じて選択しましょう。
結婚を理由に引っ越しをすると早くもらえる
結婚を機に仕事を辞める場合、結婚を理由に引っ越しをすると失業保険を早く受け取れます。結婚によって退職し、引っ越しを余儀なくされた場合、退職理由が特定理由離職者として認められます。
結婚を理由に退職した場合、自己都合退職として扱われ、失業保険の給付が開始されるまでに2〜3ヶ月程度の期間が必要です。しかし、特定理由離職者として認定されると、失業保険の申請後に7日間の待機期間を経て、5営業日以内にお金が振り込まれます。
特定理由離職者として認定されるには、以下の条件を満たしましょう。
結婚を理由に引っ越しをする場合、失業保険を早く受け取るには、退職日と引っ越し日をできるだけ近いタイミングで計画しましょう。退職日と引っ越し日が離れすぎると、特定理由離職者として認められない場合があります。引っ越しの予定を早めに設定し、必要な書類をあらかじめ整えて、スムーズに失業保険の申請手続きを進めましょう。
仕事を辞めたいなら、結婚後に必要なお金を計算しよう!
結婚を理由に仕事を辞めたいなら、以下の3つの条件をもとに判断しましょう。
これらの条件によって、パートナーに求める収入や再就職の難易度が異なります。専業主婦として働くために必要な収入は、以下が目安です。
子どもの人数 | 平均月収 | 平均年収 |
---|---|---|
なし | 44万7000円 | 536万円 |
1人 | 47万6000円 | 571万円 |
2人 | 51万4000円 | 616万円 |
結婚を理由に仕事を辞める場合は、失業保険を受け取れますが、以下の受給条件を満たしましょう。
最終的には、結婚後に必要なお金をしっかりと計算し、今後の生活設計を立てることが重要です。生活費やパートナーの収入をもとに、仕事を辞めても生活できるのかを計算しましょう。
これからの新しい人生をより豊かで充実したものにするために、どのような生活が理想なのかを2人でしっかり話し合ってくださいね。
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