「自分は傷病手当金をもらえるのだろうか。もらえないのはどんなケースか知りたい」「申請で失敗したくないけど、まず何から手をつけていいのかわからない」とあなたも不安になっていませんか。
うつなどの病気で精神的にダウンしてしまった時、傷病手当金はとても頼りになる制度です。しかし自分が受給条件を満たしているかどうかわからず不安になる方は多くいらっしゃいます。
この記事では傷病手当金がもらえないケースと、もらえるケースををこの3つに分けて説明しています
申請に失敗しないために相談するべきプロも紹介しています。ぜひ最後まで読み進めてください。
退職を前提としているなら、私も利用している退職コンシェルジュをおすすめします。
【在職中の場合】傷病手当金をもらえない4つのケース【休職】
在職中に休職する方が傷病手当金を受給できないケースは大きく分けて4つです。
この4つのどれかに該当する場合は、残念ながら受給できません。
加入しているのが「国民健康保険」である
そもそもサラリーマン等ではなく、個人事業主として働いている場合は傷病手当金を受給できません。
なぜなら、国民健康保険にはそもそも傷病手当金の制度がないからです。
傷病手当を受給するためには、先にサラリーマンなどの被雇用者にならなければならず、残念ながら非現実的です。
申請書がそろわない
受給するには所定の申請書を提出しなければなりません。
その申請書はあなたと、会社と、医師が記入しなければならず、そのどれか一つが欠けると申請ができません。(退職後は少し事情が変わります)
会社が申請書を書いてくれない理由はいくつか考えられますが、その理由と対処法をこちらの記事でまとめています。ご覧ください。
医師に「特に問題なく働ける」と判断されてしまうと傷病手当は受給できません。
診断書を書いてくれる医師なら申請書も書いてくれるはず。ほかの病院や医師にお願いしてみましょう。
休んでいるが、給料もしくは何かの公的手当を受給している
傷病手当を受給できる条件が揃っていても、給料や別の公的手当を受給している場合は傷病手当を受給できません。
ただし受給額が少ないときなどは、差額を受給できる可能性があります。
詳細は保険者へ問い合わせてもらうのが一番ですが、ざっくりの金額がわかればいい方はこちらの記事をどうぞ。
すでに18ヶ月受給済みで、期間が残っていない
傷病手当金の受給期間は「通算18ヶ月」で、この期間を超えてしまうと受給が終了してしまいます。
「通算18ヶ月」の考え方はこちらの記事をご参照ください。
18ヶ月を超えて新たに受給するにはほかの病気での休業だと証明する必要がありますが、不正受給を疑われるため、現実的ではありません。
18ヶ月かけて治療できなかった場合、障害者手帳が申請できる可能性があります。
障害者手帳を申請し、障害年金を検討しましょう。
【退職後の場合】傷病手当金をもらえない3つのケース
傷病手当金は退職後も受給できますが、最低限必要な前提条件が3つあります。
この3つのどれかに該当してしまうと退職後の傷病手当金を受給できません。
退職を前提として傷病手当を受給しようとしている方はいくつかの手順を踏まなければなりません。これから申請を予定している方はこちらの記事をどうぞ。
退職までに連続した1年以上の加入期間がない
退職後に傷病手当を受給し続けるには、退職までに1年以上の連続した加入期間が必要です。
これは異なる保険者でもよく、1年以内に転職していても問題ありません。
ただ、この2つのケースは1年以上連続して加入していないとみなされ、受給できなくなります。
このどちらかに該当する場合、退職の前に一定期間休職し、休職したまま入社後の1年を経過すると退職後も受け取れるようになります。
もうしばらく休職を続けましょう。
初診日と退職日と待期期間のタイミングが悪い
初診日と3日間の待期期間、退職の順序は以下の通りでなければいけません。
退職日のあとに初診日があったり、初診日から退職日の間に3日間の連続した休日がなかったりする場合は、退職後の傷病手当は受給できません。
先に退職を決めてしまうと受給できないケースに陥りがちです。 可能ならば退職予定日は初診日よりも1ヶ月以上あとに設定しましょう。
退職日に出勤した
退職のその日に出勤してはいけません。傷病手当金のルールがそうなっているのです。
業務の引き継ぎや私物の整理などは早めに済ませましょう。
【コロナの場合】傷病手当金をもらえない3つのケース
コロナウィルス感染による休業も傷病手当金の支給対象となっています。支給されないのは主に濃厚接触者が該当する以下の状態です。
逆に、コロナウィルス感染による休業で傷病手当金が受給できるケースは以下の通りです。
自覚症状があるが陰性の場合、陰性が判明したその日までが支給対象です。
コロナウィルス感染での休業の場合、診察は必要ですが医師の証明は不要です。ただし医師の証明欄をご自分で記入する必要があります。
参考:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/event/cat550/covid_19/shinsei/
傷病手当金をもらえるのはこの4つの条件すべて当てはまるケース
ここまでは「受給できないケース」を説明してきましたが、ここでは「受給できるケース」を紹介します。
受給できるのはサラリーマンや公務員など、組織に所属して働いている方たちが、以下4つの条件すべてに当てはまったときです。
この4つの条件についてもう少し細かくご説明していきます。
参考:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r307/
業務外の病気やケガで療養中
療養している病気やケガが、業務とは関係のないところで発生したものの時は、傷病手当を受給できます。
業務中のケガや病気は労働災害です。労災保険から給付され、傷病手当は受給できません。
仮に業務外の療養であっても、美容整形手術など、健康保険適用外の治療での療養では受給できません。
療養のための労務不能
労務不能とは、被保険者が今まで従事している業務ができない状態のことで、労務不能であるか否かは、医師の意見及び被保険者の業務内容やその他の諸条件を考慮して判断します。
引用:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g6/cat620/r307/
保険者があなたを「労務不能」だと判断したら、手当を受給できます。
医師の診断書もあくまで「意見」として扱われ、診断書があっても拒否される可能性があります。
とはいえ、医師の証明があるのに保険者から拒否される状況は極めてまれです。不正受給の疑いがない限り、医師の証明があれば問題ありません。
給与の支払いがない
有給休暇なども使わず、無給で休んでいる場合は手当を受給できます。
同じ職場へ復職する予定があるのなら、有給休暇を利用せずに傷病手当を受給した方が復帰後が楽です。
4日以上仕事を休んでいる
傷病手当金を受給するには「3日の待期期間」が必要です。
タイトルで「4日以上」と書いているのに「3日」なのは戸惑うかと思いますが、「3日の連続した休みの次の休みから支給する」ルール。「3日連続で休んだ後の4日めから支給される」を「4日」と表現している形です。
有給休暇でも土日祝日でも可能で、とにかく3日間の連続した休みがあって初めて受給条件が整います。
待期期間が取れない場合は傷病手当が受給できませんが、待期期間が終わったあとならば、2連勤2連休の繰り返しであっても、その両方の2連休に対して傷病手当を申請できます。
傷病手当を「もらわない方がいい」と言う方は正しいのか
世の中には、「傷病手当金なんてもらわない方がいいよ」と主張する方がいます。
さて、その主張は本当に正しいのでしょうか。
別に記事を執筆しております。こちらをご覧ください。
傷病手当金の手続きを会社が嫌がる。その理由3つと相談先3つ
傷病手当金の手続きを会社が嫌がるケースがあります。
理由はさまざまですが、会社に嫌がられてしまうと手続きが進めにくくなるのは同じです。
会社が傷病手当の手続きを嫌がる理由と、その対処法をこちらで記事にしております。どうぞご参照ください。
申請で失敗しないためはプロに相談を。傷病手当金のプロ4者
あなたがもし、傷病手当金を受給できない状況だと誰かに言われたのなら、本当にもらえない状況なのかプロに相談してみましょう。
この4者に相談しても受給できないのだとすると、あなたは本当に受給できないのかもしれません。
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傷病手当金をもらえないケースは多い。プロに相談して受給しよう
在職中のケース、退職後のケース、コロナ感染のケースと3つに分けて傷病手当金を受給できない条件と受給できる条件を説明してきました。
休業の経緯は人それぞれで、あなたが本当に手当を受給できるかどうかはプロに相談してみないとわかりません。
傷病手当金を受給して、お金を気にせずゆっくりと療養するためにも、プロに相談して正しい手順と適切な条件で申請を進めましょう。
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