あなたの会社は、傷病手当金の証明を嫌がるような様子、ありませんか?
「上司がむちゃくちゃで、よくわからない理由をつけて拒否される」「『お前が悪い!』と言われ話を聞いてもらえない」と、困る方が一定数いらっしゃいます。あなたはいかがでしょうか。
この記事はこういう方へ向けて書いています
正しい知識を持つ会社なら親身に聞いてくれるはずですが、退職コンシェルジュも「会社などに妨害され受給失敗する方が約3%ほどいる」と言います。
この記事では手続きを拒否される主な理由と、その対処法について書いていきます。どうぞ最後までお付き合いください
退職コンシェルジュは傷病手当金の受給をサポートしてくれるサービスです。こちらもどうぞ
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会社が傷病手当金の証明を嫌がる理由3つ
法律では、「会社は傷病手当金の手続きを求められたら応じなければならない」と定められています。しかし、管理者の方があまり詳しくない場合、感情的に拒否されてしまうケースがあります。
管理者の方が傷病手当金の手続きを嫌がる理由は以下のようなものです。
受給資格が本当にないケースは仕方ありませんが、そうでないケースはせめて話くらい聞いてもらえないと受給まで進めません。
もう少し解説いたしますので、あなたが会社に嫌がられているのが、このどの理由に関連するか考えてみてください。
【会社が嫌がる理由1】会社が無知で、勘違いしているケース
傷病手当金は今まで支払っていた社会保険料が元になっており、健康保険組合から手当が支払われます。会社に追加での金銭的な負担はありません。
しかし、以下のような勘違いをしている会社が存在します。
もし「そんな制度、ウチの会社にはない」と言われたとしても、傷病手当金は「健康保険法」という法律で国が定めた制度。健康保険料を天引きで支払っている方なら傷病手当金の制度は必ずあります。
担当の方が知らなかっただけの場合、きちんと知ってもらうだけで解決します。こちら(協会けんぽの資料に移動します)を参考に根気強く説明してみましょう。
【会社が嫌がる理由2】人手が足らず、会社全体が疲弊しているケース
誰かが誰かにする嫌がらせは、そのほとんどが「自分自身を守る」行為ではないかと私個人は思っています。
もしあなたが上司から「わざと書類を遅らせる」「あえて間違い、手続きをさせない」等の嫌がらせを受けたとします。その時はその上司の働き方を思い出してください。毎日遅くまで残業していたり、常に疲れた顔をしていたりしませんか。
オーバーワークの状態が長く続くと、人は他人に対して優しくなれないものです。自分のことで精一杯になります。そんな方に傷病手当金の手続きをお願いすると、こんな風に考えても仕方ないのではないかと思います。
上司からみたときこれらは全て、「自分の仕事が増える」要素に繋がります。ただでさえ毎日オーバーワークなのに、これ以上増やされたらたまらない。人は誰もが、本能的に危険を感じると他人を攻撃してしまうものです。
あなたも大変な状況ですが、このケースに該当する場合はできるだけ上司の業務を減らすようにあなたも努力しましょう。あなた自身が自分で調べられる範囲は全て調べたうえで相談するのがおすすめです。
上司には「人事の〇〇さんへ手渡してもらえたらOK」や「ここにサインだけしてくれたらOK」のように、できるだけ簡単な作業で済むような準備をすると聞き入れてもらえやすくなります。
【会社が嫌がる理由3】受給資格がないと知っているケース
傷病手当金は、以下4つの条件を満たす方が受給できる手当です。
傷病手当金は、「業務外でのケガ・病気で働けず、給料が支払われなかった期間」に対して支払われます。もしあなたのケガ・病気が「その業務をしていたから発生したケガ・病気」だったなら、それは「業務外」ではなく労働災害を疑わなければなりません。
会社は労働災害の再発を防ぐために対策する義務があります。「いいチャンスだ、ちゃんと対策しよう」と会社が思っていたとしたら、傷病手当金の申請を嫌がられる可能性があります。
とはいえ、労働災害だと認定されたなら、会社として面倒な手続きが発生するのも事実。労働災害の申請を進める意思がない点を理解してもらえると、スムーズに記入してもらえる可能性があります。
会社は傷病手当金の申請を拒否できない。拒否できる「正当な理由」とは
第三十三条 事業主は、保険給付を受けようとする者からこの省令の規定による証明書を求められたとき、又は第百十条の規定による証明の記載を求められたときは、正当な理由がなければ拒むことができない。
引用:健康保険法施行規則(大正十五年内務省令第三十六号)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=215M10000008036_20230127_505M60000100010
これは大正時代から現在まで続く法律「健康保険法」の一節で、事業主の義務を定めた一文です。
傷病手当金の申請手続きは「この省令の規定による証明書」ですから、会社は「正当な理由がなければ拒むことができない」のです。
ここで言う「正当な理由」は明確に定義されていませんが、「客観的にみて正当」でなければならないと思われます。例えば
こういった理由の場合、会社としては拒否しなければならないケースですから、手続きを進めてはもらえないでしょう。しかしこの場合でしたらきちんとした説明があるはずです。
納得のいく説明もなくただただ拒否されている場合は、次で紹介するしかるべき場所へと相談することをおすすめします。
嫌がる会社に傷病手当金の手続きを進めてもらう3つの相談先
傷病手当金手続きの一部は事業主の義務です。しかしそれを正当な理由なく拒否された場合、解決するにはプロの力を借りる必要があります。
社労士よりも保険者、保険者よりも弁護士がより強い相談先です。トラブルになっているようでしたらご参考になさってください。
【相談先1】社労士へ相談する
社労士とは社会保険労務士法に基づいた国家資格保有者で、労働・社会保険に関するスペシャリストです。
大企業であれば社内に社労士を抱えている企業もあるでしょうが、小さな企業では社外の社労士事務所と提携していることがほとんどです。自分の会社を担当している社労士さんを見つけて、その方へ相談すると話がしやすいでしょう。
労働者目線で見る社労士の業務はこちら。
もちろんほかにもありますが、労働者が直接関係するのはこの2つです。
社労士は、会社への直接交渉ができません。弁護士法第七十二条により、報酬を得た直接交渉は弁護士のみに許された業務と定められているからです。
したがって社労士へ相談した場合、社労士からの助言をもとにあなた自身が会社へと働きかける必要があります。
社労士へ相談した場合は、あなた自身が会社へ「〇〇社労士事務所で相談しています」と一報入れて、会社からの反応を見るようにしましょう。
【相談先2】保険者へ相談する
保険者(健保組合)は、会社に文書を提出させることができます。
2 保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。)又は保険給付を受けるべき者に、保険者又は事業主に対して、この法律の施行に必要な申出若しくは届出をさせ、又は文書を提出させることができる。
引用:「健康保険法 第百九十七条の2」https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=211AC0000000070
あくまでも「提出させることができる」です。会社に働きかけるか何もしないかは保険者が判断します。保険者に動いてもらえるようお願いしなければなりません。
【相談先3】弁護士へ相談する
社労士のところで触れましたが、会社と直接交渉できるのは弁護士だけです。
傷病手当の手続きを拒否するような企業ならば、「弁護士が来た!」とそれだけで解決する可能性があります。
もちろんその事実だけで解決せずとも、法律をベースに会社を説得してもらえます。労働事件を得意とする弁護士を探して相談しましょう。
退職してしまえば、会社の証明はいらなくなる
いっそ、辞めてしまうのも一つの手です。退職しても傷病手当は受給できます。しかも、退職が完了すれば会社の証明はいらなくなります。
なぜなら、会社が証明しているのは「あなたへ給料を払っていない」と「あなたが出勤していない」の2つだから。あなたが辞めてしまえば証明する意味がなくなるのです。
手続きが複雑なので、当サイトは退職コンシェルジュをおすすめしています。とはいえまずはご自分で方法を知りたい方に向けて方法を記事にまとめています。ぜひ一度ご覧ください。
傷病手当金を会社が嫌がる。もらわない方がいいと言われた時
会社が手続きを嫌がるだけでなく、「もらわない方がいい」とまで言ってあなたを説得しにくる可能性もあります。彼らの言うデメリットはこの4つ。
確かにもっともらしい理由ですが、その反論をこちらで記事にしています。ご参考にどうぞ。
傷病手当金をもらえない10のケース。これから申請する方へ
この記事では「会社が協力的ではない場合」のケースをお話ししましたが、こちらの記事では「会社が協力的だとしても」傷病手当金をもらえない10のケースを紹介しています。
このケースにあなたが該当する場合、会社が傷病手当を嫌がるのも仕方ないかもしれません。
一度こちらの記事もご確認してください。
傷病手当金の申請に医師の証明は必須。理解ある医師の探し方
傷病手当金の申請にはあなたと会社と医師と、3者の申請書記入が必須です。傷病手当の申請を受け入れてくれる、理解ある医師を見つけなければなりません。
しかし、なかなか診断書を出してくれない医師もいるそうです。もしそんな医師にあたれば受給までかなり遠回りしてしまいます。
初診で診断書を出してくれるような、理解のある医師を早々に見つけなければなりません。
実は、退職コンシェルジュは、そういう理解ある医師が各市町村のどの医院にいるかを知っています。
過去2500名以上の利用者さんたちが、早い段階で診断書を受け取れた病院です。あなたもきっとスムーズに手続きできるでしょう。
受給をサポートしてくれるサービスがあります
退職コンシェルジュは傷病手当金受給をサポートしてくれるサービス。私も利用した、頼りになるパートナーです。
彼らは傷病手当に協力的な病院のリストや、会社に対して有効な交渉文のテンプレを持っています。
とはいえなかなか怪しいサービスです。実際に私が契約する前に抱いていた不安や疑問をこちらでまとめていますので、ぜひ一度ご覧ください。
当サイトに寄せられた相談に、極めて悪質な会社がありました
にわかには信じがたい話を、相談者Hさまからいただきました。なんと無責任な、なんと無知な、なんと傲慢な経営者が存在するものかと呆れます。それと同時に、そんな会社に対して、逃げる以外の選択肢を提示できない自分の無力さを痛感いたします。
Hさまからいただいた話をまとめると、このような様子でした。まずは退職前の状況から。
この時点でいくつかの法律違反がありますが、話はまだ終わりません。Hさまが管理職へ退職を告げると、このような対応をされたそうです。
あまりに無責任な、あまりに無茶苦茶な対応です。どう解釈してもおかしな対応だと言わざるを得ないでしょう。ここまでで私は、何度も「労基へ相談してください」とお話ししたのですが、実際労基にも相談されたそうで、何も改善しないと嘆かれていました。
ところでこの基礎年金番号と雇用保険番号、雇用主が知らないはずがない番号です。なぜそういうことを聞かれるのか理解に苦しみつつ、Hさまはなんとか退職されました。
その後、Hさまはさらに驚きの事実を私に話されました。
離職票がなかなか届かないので、ハローワークに行ったんです。すると、雇用保険に加入していないことが判明し、なんの給付金も出せないと言われてしまいました。ハローワークの職員も絶句していました。
これには私も参りました。それは雇用保険番号を知らないはずです。まさかここまで悪質なケースがあるとは夢にも思わず、私も対応しきれませんでした。お話しを聞くことしかできず、本当に無力でした。
あなたはこんな会社にお勤めではないでしょうか。もしそんな雰囲気を感じられたなら、一日でも早く退職されることをお勧めします。
傷病手当金を会社が嫌がる時は、適切な場所へ相談しに行こう
会社が傷病手当の申請を拒否している理由とそれをどこに相談すればいいかを紹介してきました。
傷病手当を受給して、ゆっくり休養するためにも、適切な場所に相談してしっかりと手続きを進めてもらいましょう。
何もしなければ受給できないかもしれませんが、受給できる可能性はまだあります。辛いと思いますが、もうひと踏ん張り、頑張ってください。
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