「再就職手当はもらわないほうがいいって本当?」「再就職手当をもらったときともらわなかったときの違いって何?」と悩む方がいらっしゃいます。
この記事では、再就職が決まった方へ向けて、再就職手当をもらうべきかもらわないべきか判断する情報を提供します。
判断に悩む場合、受給金額が1つの判断材料になります。計算ツールで受給額を計算して、再就職手当を受給するか、今回は見送るか、あなた自身で判断してください。
再就職手当とは?もらわない方がいいのはどんな人?
再就職手当とは、基本手当の支給日数を3分の1以上残して就職した場合、支給されなかったお金の一部を受け取れる制度です。基本的に、再就職してから1ヶ月以内にハローワークで手続きをしなければなりません。
再就職手当を申請すると、就職した会社から給料をもらったうえ、さらに再就職手当がもらえるので、全体的な収入が大きくなります。
とはいえ、再就職後に短い期間で退職する場合、もらわない方がいいケースがあります。
再就職してすぐ退職するならもらわない方がいいケースがある
当サイトの推奨する、再就職手当を申請するべきタイミングは「前回の離職日から1年経過した後、再就職してから2年以内」です。
再就職手当をもらうかもらわないかは、再就職した会社で最低1年間頑張れそうかどうかを考えてください。
1年間頑張れそうなら、もらったほうがいいでしょう。1年間頑張れなさそうなら、もらわないほうがいいケースがあります。
再就職手当をもらうか、もらわないか、判断に影響する要素は以下の3つです。
再就職後1週間働いた感想が「この会社はダメだ」なら、再就職手当をもらわずに、1日も早く退職して別の会社を探したほうがいいと当サイトは考えます。
受給資格取得後1年以内に再離職したら、残った手当を受給できる
失業保険は原則、受給資格が決定してから1年間は受給可能で、この1年間を「受給期間」といいます。実際に給付される「給付日数」とは意味が異なるので理解しましょう。
受給期間が終わるまでは、給付日数分の給付を受ける権利が残っています。したがって、一度再就職したあと受給期間が終わる前に再び退職した場合、再就職前に受給できなかった手当を改めて受給できます。
とはいえ、再就職手当をもらった場合、60〜70%は再就職手当として給付されているので、残った30〜40%が支給されるだけです。
もしも再就職手当をもらわなかった場合、残った金額の100%を受給できるチャンスがあります。
したがって、受給期間内に退職する予定なら、再就職手当はもらわない方がいいでしょう。
再就職後1年間働くと、失業保険が一部リセットされる
再就職したあと少なくとも1年以上雇用保険に加入していると、次に離職したとき、再度基本手当を受給できます。
つまり、1年以上働くと、再就職手当をもらったかもらってないかにかかわらず、最初から改めて失業保険を受給できるのです。
再就職手当をもらったうえで1年以上働いたあとに退職するケースは、再就職手当をもらわなかったうえで1年以上働いたあとに退職するケースと比べて、受給総額が増えます。
したがって、再就職した会社で1年以上働けそうなら、再就職手当をもらった方がいいです。
再就職後2年までは再就職手当の手続きができる
再就職手当の申請期間は、原則「再就職後1ヶ月以内」ですが、実は再就職してから2年以内は申請ができます。つまり、1年頑張った後に申請すれば最も効率よく再就職手当を受給できるのです。
とはいえ、2年を1日でも過ぎると受給する権利を失いますので、1年経ったらすぐに申請を始めましょう。
2年の申請期限についてはこちらの記事で紹介していますので、詳しく知りたい方はご覧ください。
再就職したにもかかわらず再就職手当をもらわないとどうなる
再就職したにもかかわらず再就職手当をもらわない場合、以下のメリットとデメリットがあります。
1年間以上働いたあとに離職した場合は「早期離職」に当たらず、再度基本手当を受給できます。さらに、再就職手当は再就職後2年まで申請できます。
したがって、再就職後はすぐに再就職手当を申請せず、1年間働いたあと2年以内に申請するのが最も効率良い申請方法です。
最初に離職してから1年すぎたら、再就職手当をもらった方がいい
「受給期間」には注意しましょう。最初に申請した基本手当の受給期間は原則、最初に離職した日の翌日から1年間で、受給期間をすぎると給付日数がいくら残っていても消滅します。
つまり2回目の離職が、最初に離職した日の翌日から1年すぎていて、かつ、再就職してから1年間働いていない場合、最初の基本手当を受給できず、新たな基本手当も受給できません。
最初に離職した日の翌日から1年すぎたなら「1年以上働く」と覚悟を決めて、再就職手当をもらいましょう。
再就職手当計算ツール
再就職手当をもらった場合と再就職手当をもらわずに全額受給を目指した場合、もらえる金額がどれくらいかわからないと判断しにくいですよね。
以下の入力フォームに、お手元の雇用保険受給者資格者証を見ながら、あなたの情報を入力してください。どんな情報を入力しても当サイトにデータは一切残りません。どうぞお気軽に計算してください。
再就職手当計算ツール2024〜2025年版
お手元の雇用保険受給者資格者証を見ながら入力してください
可能な限り精度を高めましたが、計算結果はあくまで参考としてお考えください。特に、2024年8月以前の計算と、2025年8月以降の計算は狂います。
計算された金額を見て、再就職するかしないかを判断しましょう。
再就職手当を受給できる8つの条件
再就職手当を受給するには以下8つの条件を満たさなければなりません。
参考:ハローワーク那覇「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり
上記すべて満たさなければなりませんので、それぞれ解説いたします。
基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている
「雇用保険受給者資格証」に書いてある「所定給付日数」から実際に支給された(あるいは支給が決定した)日数を引いて、残った日数が「所定給付日数」の3分の1以上なければいけません。
3分の1以上ですから、給付制限が終わる前に再就職した結果、1円も受給できなかった方はこの条件を満たします。
逆に、残った日数が3分の1未満のときは再就職手当の対象外です。
なお、残った金額を満額受給できるわけではなく、60〜70%の額しかもらえません。残った日数が3分の1のときは60%、3分の2以上だと70%です。具体的な金額は本記事のツールを使って計算してください。
就職した会社に1年以上勤務することが確実
期間を定めない雇用契約、あるいは1年以上の期限付き雇用契約を結んでいなければなりません。
雇用期間が1年未満の期限つきだったり、目標達成の条件が付けられていたりする場合は再就職手当を受給できません。再就職後1年以内に再び失業し、もう一度失業手当を受給する方がいらっしゃるからです。
待期満了日後の就職
ハローワークの手続き・雇用保険の説明を受けて、失業の状態のまま経過する7日間を「待期」といいます。
待期の7日間をすぎたあとの再就職でなければ再就職手当の支給対象になりません。
待期についてはこちらの記事で詳しく解説しています。待期とはいつからいつまでか、失業の状態とはどういう状態かを理解したい方はぜひお読みください。
自己都合かつ1ヶ月以内の就職は、ハローワークか指定業者の紹介
待期満了後1ヶ月以内の就職は、定められた仲介先から紹介された会社に再就職しなければ、再就職手当を受給できません。定められた仲介先にはハローワークを含みます。
知人の会社や親戚の会社に再就職する場合、待機満了後1ヶ月以上経ってから就職しましょう。
とはいえ、会社から解雇された場合や、会社が倒産した場合は「会社都合退職」とみなされ、この条件は除外されます。
離職前の会社への再就職ではない
離職前の会社に再雇用される場合や、離職前の会社から紹介された会社への再就職は支給対象になりません。以前の会社とはまったく関係ない会社へ再就職しましょう。
これは単純に、不正受給の温床となるからです。
過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受けていない
再就職手当または常用就職支度手当を短期間で繰り返し受給できないようにする条件です。
常用就職支度手当とは「就職困難者」の雇用を安定させる手当です。「就職困難者」と認定された方が安定した職業についたときに支給されます。
就職した会社から内定を受けたのが受給資格決定前ではない
あらかじめ再就職先が内定したうえで、ハローワークで最初の手続きをしても、再就職手当は受給できません。なぜなら「失業の状態」と認められないからです。
「内定しているものの、実際に働き始めるのは数ヶ月先」の場合も、残念ながら雇用保険を受給できません。そのまま時期を待つよりも、いったん内定を断るか、すぐに働き始めたほうが無難だと当サイトは考えます。
再就職した会社で、雇用保険料を毎月支払う予定
再就職手当は雇用された方へ給付される手当です。雇用された方とは、以下の3つすべてにあてはまる方をいいます。
上記どれかひとつでもあてはまらない条件がある方は、雇用されたとみなされず再就職手当が受けられません。逆に失業保険の基本手当を受給できますので、こちらの記事をご参考に基本手当を受給し続けてください。
【疑問①】手当を満額もらうにはどうすればいい?
手当を満額受給するには、求職活動を継続しつつ、手当が終了するまで再就職しなければ満額受給できます。
とはいえ、求職活動は結構大変です。ハローワークから受け取った資料を参考に、あなたにできる求職活動を続けてください。
こちらの記事では、失業保険をもらいながら週20時間以内で働く具体的な流れを紹介しています。手当を満額受給するだけでなく、軽いアルバイトをできる方法ですから、ぜひ一度ご覧ください。
【疑問②】再就職手当をもらわない方がいい理由
もらわないほうがいいとは「せっかく今まで国に支払ってきたお金を取り戻せるチャンスだから、最大限取り戻してから働けばいい」と主張するものです。
逆に、もらったほうがいいとは「せっかく給料と再就職手当の両方もらえるチャンスなんだから、両方もらって少しでもお金を増やせばいい」と主張するものです。
あなたが心地よいと感じるのは、どちらの意見でしょうか。
再就職手当はもらわない方がいい?1年頑張れそうならもらおう
再就職手当は、基本手当の一部を残して就職した場合に、受給できなかった金額の一部をまとめて受給できる制度です。原則、再就職後1ヶ月以内に申請しますが、実は時効の2年以内ならば問題なく申請できます。
さらに、前回の離職後1年以内に早期離職した場合、再就職手当をもらわない方が受給額が増えるケースがあります。
したがって、当サイトの推奨する再就職手当を申請するべきタイミングは「前回の離職日から1年経過した後、再就職してから2年以内」です。
とはいえ、ダメな会社で無理に働くよりは、改めて転職を目指したほうが良いでしょう。再就職後最初の1週間で「この会社はダメだ」もしくは「この会社は頑張れそうだ」と判断してください。
ダメな会社は1週間で退職して、頑張れそうな会社で再就職手当をもらいましょう。
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