退職する意思を会社側に伝えても、多くの場合、まずは引き止められます。問題は、その引き止め方法に違法なケースがあることです。
「後任がいないからもう少しいてほしい」「退職するなら今月の給料を支払わない」「退職前の有給休暇は認めない」と言われたのはあなただけではありません。
この記事では、退職できる条件と、違法な引き止めに当てはまる5つの事例、違法な引き止めにあったときの対処法について紹介します。
退職したいのに、会社に引き止められている方へ。どうするべきか判断できるように対処法もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
違法な退職引き止めはあるけれど、そもそも合法な退職とは?
退職は自由に行うことができますが、退職の意思を伝えたときに会社や上司から引き止められることがあります。
あなたを「必要だ」と上司から言ってもらえるのは嬉しいことですが、退職を決意しているあなたにとっては少し迷惑かもしれません。
私が退職するときも、退職の承認をもらうのに1カ月程時間がかかりました。
退職希望日まで余裕を持って伝えていたので、退職日がずれるということはありませんでしたが、もし早く退職したいと考えている場合は、ある程度余裕を持って退職の意思を伝えるようにしてくださいね。
また、雇用契約で定めている期間を守らずに退職することは違法になってしまいます。雇用契約には、以下の2種類があります。
雇用の種類によって退職できるタイミングが異なるので、合わせて確認しておきましょう。
無期雇用契約の場合、退職希望日の2週間前までに伝えなければならない
働く期間の定まらない雇用契約のことを、無期雇用契約といいます。一般的な会社員はこの無期雇用契約に当てはまります。
退職するためには、退職したい日の2週間前までに退職の意思を会社に伝えることが、民法で定められています。
有期雇用契約の場合、やむを得ない時以外、契約の途中で辞められない
働く期間があらかじめ定められている雇用契約のことを、有期雇用契約といいます。有期雇用契約には、契約社員や派遣社員などが該当します。
定められた契約期間のあいだ働くことを条件に雇用契約を結んでいるため、契約期間の途中で退職できません。ただし、以下のようなやむを得ない理由がある場合は例外です。
上記のようなケースだと、期間中であっても退職できると民法で認められています。
有期雇用契約の場合、契約初日から1年が経過すれば理由に関係なく退職できる
また、有期雇用契約を結んだ初日から1年が経過すれば、やむを得ない理由がなくても退職できます。
退職の意思を伝えるのは、無期雇用契約と変わらず退職日の2週間前までには伝えましょう。
有期雇用契約の場合は、タイミングによって退職できる理由や条件が異なるので、雇用契約書を確認してみてくださいね。
あなたもされてない?退職引き止めの違法な5つの事例
退職の引き止め交渉自体は問題ありません。しかし、以下のような退職引き止めは違法になります。
ここからは違法に引き止められている場合の対処法について解説します。あなたがされている引き止め交渉が該当していないかを確認してみてくださいね。
「後任が見つかるまでは認めない」
会社の人員が足りておらず、あなたが退職すると人手が足りなくなるため「後任が見つかるまでは退職を認めない」と言われる場合があります。
しかし、後任が見つからないのはあなたの責任ではなく、会社側の問題です。あなたには自由に退職できる権利があるため、後任を気にして退職をあきらめたり、伸ばしたりする必要はありません。
ただし、あなたの今までの業務は誰にでも引き継ぐことができるように、引継ぎ資料にまとめるようにしましょう。
退職届の書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。退職届を書く際は、参考にしてみてください。
「給与や退職金を払わない」
給与の支払いは会社の義務です。当然、それを支払わないのは違法です。
退職の引き止めに従わなかったからと言って、給与や退職金を減額したり、支払わないと言われた場合は、後に請求できます。
未払いの給与や退職金が分かるように、以下の証拠となる資料を残しておきましょう。
退職した後に、上記の資料を揃えて支払い請求を行いましょう。
ただし、退職金については本当にない会社も存在します。就業規則を確認しましょう。
「離職票を発行しない」
引き止められても退職の意思を変えない場合に、「離職票を発行しない」と会社側から言われた場合は違法です。
再就職先が決まっていない場合は離職票が絶対に必要です。ないと失業保険を受け取ることができないので、それを狙った嫌がらせの可能性があります。
もし、離職票を発行してくれない場合は、ハローワークに相談をしましょう。
ハローワークに相談すると、会社側に離職票を発行するように促してもらえます。それでも離職票を発行してくれない場合は、ハローワークが発行してくれるのでハローワークで相談してくださいね。
「懲戒解雇または損害賠償を請求する」
懲戒解雇や損害賠償の請求は、理由もなしにできるものではありません。
雇用契約の労働契約に違反していたとしても、損害賠償を請求することは禁止されています。
不当な退職引き止めをされても相手にせずに、退職の手続きを進めても問題ありません。
「有給休暇を使用させない」
有給消化は労働者に与えられている権利です。有給消化を拒否することは違法ですが、どうしても会社が認めてくれない場合は、証拠を集めて担当部署や労働組合、労働基準監督署に相談するようにしましょう。上司や会社に注意喚起をしてくれます。
証拠としては、以下を準備しておきましょう。
退職前の有給消化拒否については、以下の記事で詳しく解説しています。有給消化をしてから退職したいと考えている場合は、参考にしてみてください。
退職の引き止めに従うデメリット
もし、あなたが給与アップや部署異動などの提案を受け入れ、退職引き止めを承諾した場合、以下のようなリスクがあります。
人間関係やスキルアップを理由に、今の会社を退職したいと考えていた場合は、退職を取り下げてしまうと何も問題が解決しません。
せっかく決断して、勇気を出して退職の意思を伝えたことが、また0に戻ってしまいます。また、一度退職を取り下げたことで、再度退職の意思を伝えづらくなってしまいます。
会社からの引き止めに応じるかは、あなたの状況や未来のことを考慮しながら考えるようにしましょう。
引き止められた時の3つの対処法
もし、前述した5つの違法な引き止めに合っている場合は、以下の3つの対処法を行いましょう。
退職はあなたの自由です。会社からの違法な引き止めに負けずに意思を通しましょう。
退職届を提出する
会社がしつこく退職引き止めをしてくる場合は、退職届を出してしまいましょう。
退職届は一度提出すると撤回が難しく、強い退職の意思表示になります。
基本的に、退職届は直属の上司に提出するものですが、受け取ってもらえない場合は、さらに上の上司に提出しましょう。
それでも受け取ってもらえない場合は、内容証明郵便を活用しましょう。
内容証明郵便とは、いつ・どのような内容を・誰に送ったかを日本郵便株式会社が証明してくれる制度です。
あなたが退職届を会社に送付した記録を残すことができるので、どうしても退職を認めてもらえない場合に証拠として残せます。
労働基準監督署に相談する
違法な退職引き止めを受けている場合は、労働基準監督署に相談しましょう。
労働基準監督署は、労働基準法や労働契約法などの法律違反を取り締まっているため、違法な退職引き止めを相談するとあなたの味方になり、守ってくれます。
しかし、違法な退職引き止めを証明するためには証拠が必要です。会社とのやり取りの録音やメールなどを証拠として用意するようにしましょう。
退職代行サービスに依頼する
退職代行サービスを利用することで、あなたの代わりに代行者が、退職の意思を会社に伝えたり、退職の手続きを行ってくれます。
第三者が間に入ってくれることで、違法な退職引き止めがなくなったり、スムーズに退職が認められる可能性があります。
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退職はあなたの自由です。しかし、労働者の退職を違法な方法で拒む会社があるのも事実です。
もし、違法な退職引き止めに悩んでいるのであれば、以下の対処法を行いましょう。
あなた1人で戦うのではなく、労働基準監督署や退職代行サービスなど第三者を頼りながら、あなたの退職したいという意思を主張しましょう。
あなたが無事に退職できるようになっていると幸いです。
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